2012年12月5日水曜日

[衆院選2012マニフェスト読み比べ]民主党

本日から12/16の衆議院選挙投開票日までに、できるだけ全党のマニフェストを
読んでいきます。

素人目線から徹底的に主観的に感想とつっこみをいれていきます。

正直どの政党に投票していいか迷っています。
おそらく、それはテレビや新聞を見ているから迷っているのではないか
というきがしてきました。今までの政治報道を見ていても、まともな政治報道が
されている気がしません。
既存のマスメディアは国会で議論されている具体的な政策には言及せず、
与野党間のパワーバランスにしか焦点を当てません。
そのようなマスメディアしか見ない国民が判断をできるはずがありません。

結局我々国民は、政党の声を直接聞き、それを我々の自分の頭と感性で
判断するしかないのです。

なので、政党の過去の行いや、政党の規模・知名度などはなるべく評価にいれず、
あえてマニフェストの出来だけを評価しようと思っています。
それらのものは、マスメディアによってバイアスがかけられている可能性が
高いからです。

また、国民の多くがマニフェスト全て読んで投票するようになれば、
政治がよくなり、結果的に国が良くなると思うので、自分もそうします。
(国民の多くがテレビや新聞が醸成する雰囲気だけで決めてしまうのが問題)

 で、初日は政権与党の民主党からいきます。

【コメント】

 民主党のマニフェストはここにあります。自分はpdf版を読みました。

 http://www.dpj.or.jp/special/manifesto

まず、pdfだけじゃなく、音声版や点字版のファイルがあることが驚き。
これは他の党はどうなんだろうね。

 まず冒頭にこうあります。

 政権交代に託された、道半ばの改革をさらに進めていくのか。
それとも、しがらみと既得権益にまみれた、古い政治へと
時計の針を逆戻りさせてしまうのか。あるいは、
理念も方向性も一致しないのに、選挙のためだけの
合従連衡に、国の舵取りを委ねてしまうのか。
(2ページから引用)

「既得権益にまみれた、古い政治」→自民党、
「理念も方向性も一致しないのに、選挙のためだけの合従連衡」→維新や未来の党、
を示唆しているものと思われます。
巧みに敵を貶していますが、これでいうと民主党は「3年間でマニフェスト全然実施
できなかった政党」になるんでしょうかね。

14ページでは「野党時代の見通しの甘さを率直に認め、お叱りを受けとめ、
未熟さを克服しなければなりません。 」とはいいつつも、3年間で出した
成果の数値を挙げている。 歳出の削減や歳入の増加、社会保障の拡充などを
数値で示しているのだが、それは現在国がかかえている問題をどの程度解決した
のかをわかるようにしめしてほしい。例えば、歳出の削減をしたのであれば、
それによって財政赤字はどれだけ減ったか、借金はどれだけ減ったか。
などをわかるようにしてほしい。

そもそも、3年前のマニフェストでかかげたことに対して、どこまでできたかを
しめすべきだとは思うのだが、それが書いておらず、とりあえず3年間で残した
成果のみを挙げているのは、少しずるい気がする。

民主党の重点政策は5つずつあるので一つずつコメントしていきます。

1.社会保障~共に生きる社会

子育て支援、教育、女性の就業支援、ワークライフバランスといった、抑えるべきところは
抑えているという感じ。
マイナンバー(社会保障・税番号制度)の利用を2016年度に開始する。
(19ページより引用)
というのはかなりラディカルな政策な印象。2016年にできるのかな。
また、「将来世代に負担のツケを回さないよう、2015年度にプライマリーバランスの
赤字を半減し(2010年度比)、2020年度までに黒字化する。」とのこと。
すごいね。できるのかな。

2.経済~新しい競争力は人と地域

グリーン、医療、介護、農業、中小企業、ものづくり、クールジャパンなど、
育てるってすごく言っているのだけど、そういう上から育てるような政策ってもう
限界がきていると思う。やはり、自由化+セイフティネットの拡充で自由に
安心してビジネスができる環境にしないと、産業は育たない。
それなのに、民主党は何か政府が上から産業を育てられるという考えをやはり
持っているみたいだね。

あと、しきりと「中小企業を支援」というキーワードがでてくるけど、これは
ベンチャーとかスタートアップ企業というのも含まれるのかな。
文面を読んでいると含まれていないようにも読めるんだよね。
「新たな産業を創造する」みたいな意志が感じられず、なにか中小企業の
労働組合的な雰囲気をかもし出しているんだよね。

 あと、「2014年度のデフレ脱却」ってあるけど、具体的にどうやんの?
というのが疑問。野田さん、先日の党首討論でしきりに安倍さんの日銀への
口出しについて批判してたけど、民主党のマニフェストにも
「デフレ脱却に向けて政府・日銀が一体となり最大限の努力を行う。」って
書いてるじゃん。

また、「1.社会保障」か「2.経済」のどちらか、もしくは両方で触れてほしかった
「雇用の流動化をしていく」ことには全く触れていないのは残念。
ここが、日本の社会保障や景気や経済に非常に重要なポイントだと思うのだが。

 3.エネルギー~原発ゼロで生まれ変わる日本

 「2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する。」
とのこと。
「ゼロを実現するための人材」を育てるときちんと書いているのは評価できる。
つまり、ゼロにするからって人材育成おろそかにしちゃったら、廃炉とか
できなくなっちゃうでしょ、ってこと。
 「電力の小売自由化」をやるって書いてあるのはいい。
「発送電分離」は「検討」と書いてあるけど、是非現実化してほしいね。

4.外交・安全保障~平和国家としての、現実的な外交防衛

抑えることは抑えたといった感じ。
「主権は、断固として守る」とのこと。
個人的には、中韓との関係の一度総括をしてほしい。
問題の「棚上げ」はもう辞めてほしい。

5.政治改革~政治への信頼回復は、身を切る改革から

「インターネット選挙運動の解禁をすすめる。」とのこと。是非頼む。
無駄遣いの削減について、しきりにアピールしているのは良いのだけど、
それがどのように財政赤字の改善につながるのか、工程表やグラフを
示して欲しい。
あと、世襲政治脱却って言っているけど、国民はあんまり興味ないんじゃないかな。
世襲でもそうじゃなくてもちゃんと政治やってほしい、と思っているだけ。
つまり今の政治がだめなのが「世襲だから」というようには見えていない。

【良い点】
・次世代重視。
・2020年度までにプライマリバランス黒字化。
・インターネット選挙運動の解禁をすすめる。
・電力業界自由化

【悪い点】
・相変わらずの政治主導の経済対策
 (経済成長が起らない理由をきちんと考えていないように見える。)
・創業支援系の話が出てこない。
・基本的にあたりさわりのない感じ。
・「○○年度までに○○する」という目標をかかげているのはよいのだが
 それに対する、工程が見えてこない。
 また、個々の目標が何につながっていくのかが見えにくい。
 
【評価】
☆☆☆
(一番最初なので今後これを基準にしていきます。)

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